鼻水やくしゃみが薬で治りやすいのとは対照的に、「鼻づまり」は薬が効きにくい症状です。安全で比較的効果のある薬はステロイドの点鼻薬に限られ、現在の保存的治療には限界があります。
薬で改善しない「鼻づまり」には手術が用いられます。これまでの手術はもっぱら下鼻甲介だけを対象とした手術で、レーザーや電気メスで粘膜を凝固したり、下鼻甲介の一部を切除する手術が行われています。薬に比べそれなりの効果は期待できますが、鼻炎による「鼻づまり」は広範囲の粘膜が腫れているためで、鼻腔の一部を開通させるだけでは本来の鼻腔がもつ通気性や鼻の機能を取り戻すには十分とは言えません。また下鼻甲介は鼻の機能の上で大切な役割を果たしていますので、粘膜あるいは骨組織を切除する方法はその重要な機能を破壊してしまう可能性があります。ここに従来の手術の限界があります。