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Ⅳ-2.「鼻づまり」と副鼻腔炎

副鼻腔炎も、嗅覚障害と同様に、「鼻づまり」と密接な関係を有しています。これは、副鼻腔の開口部(副鼻腔が鼻腔と交通している狭窄部位)には、鼻腔にある静脈性勃起組織の辺縁が伸びており、鼻腔粘膜の腫れが副鼻腔に直接影響を及ぼす可能性があるからです。慢性鼻炎では、鼻腔粘膜が広範に腫れてくることは前述しましたが、この腫れが副鼻腔開口部の粘膜に及ぶと、内部に空気が満たされていることで正常な状態を維持している副鼻腔への空気の出入りが阻害され、副鼻腔炎を起こしてきます[図Ⅳ-2-1]。

小児のアレルギー性鼻炎においては、喘息と共に、副鼻腔炎を併発している例が多いことが指摘されています[23)。筆者の経験でも、診断がつきにくい軽度の鼻炎を含めると、多くの副鼻腔炎には鼻炎の合併が認められます。このことから筆者は、慢性副鼻腔炎は、これまで指摘されてきたような急性副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症によって引き起こされる例は現在むしろまれであり、慢性鼻炎こそがその主因であると考えています。

図Ⅳ-2-1

[文献23] Berger WE. Allergic rhinitis in children: diagnosis and management strategies. Pediatr Drugs 6:233-250, 2004.