「鼻づまり」と密接に関係している症状や病気が、嗅覚障害、慢性副鼻腔炎、喘息です。
慢性鼻炎は、鼻腔粘膜が広い範囲で腫れる病気で、これが「鼻づまり」を引き起こしますが、同様に、粘膜の腫れがにおいの神経が分布している領域に及ぶと、そこに空気が入り込めなくなるため嗅覚障害が現われます。
また副鼻腔は鼻腔の奥に開口部があるため、鼻腔粘膜の腫れが直接影響し、慢性鼻炎では慢性副鼻腔炎を合併することが多くなります。急性副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症などが原因となることはまれで、むしろ慢性鼻炎こそが慢性副鼻腔炎の主因であると考えています。
鼻炎(アレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎)と喘息は、気道粘膜の過敏症(冷気や外界の物質を吸い込むと鼻水、くしゃみ、せきが出る)という点で共通している一つの疾患とみなされており、事実、喘息の多くが鼻炎を合併しています。鼻炎による「鼻づまり」は口呼吸をもたらし、乾燥した冷たい空気や埃などが鼻のフィルターを通さずに気管や気管支に吸い込まれるため、喘息を持つ小児では喘息発作を起こしやすくなります。鼻炎の手術により、正常な鼻呼吸をとり戻した小児では、喘息発作も減少することが実証されています。