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Ⅰ.「鼻づまり」とは?

「鼻づまり」とは文字通り鼻が通りにくくなっている状態で、いびきや口呼吸を引き起こすような「鼻づまり」が治療の対象となります。このような「鼻づまり」は、鼻中隔弯曲や片側のポリープ形成など、片側の閉塞によって起こるものではありません。

小児における「鼻づまり」のほとんどは、慢性鼻炎(アレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎)による両側の鼻腔粘膜の腫れ、あるいはアデノイドによる鼻腔後端の閉塞が原因です。ここでは、慢性鼻炎による「鼻づまり」に限定して話を進めます。

鼻の粘膜は、スポンジ状の血管が粘膜の中に存在するためもともと腫れやすいのですが、ここに炎症が加わると、血液がうっ滞して「鼻づまり」をきたすことになります。

慢性鼻炎による「鼻づまり」は、くしゃみや鼻水と違って気づかれにくい面があります。その理由は、徐々に進行してくること、無意識に口呼吸で代償してしまうこと、日中には症状が軽く夜間の睡眠中に悪化してくることなどによります(本サイトでは、これを「隠れ鼻づまり」と呼びます)。